私も早速買って読みました。

私も早速買って読みました。

2010年のwebビジネスやwebプロモーションを考える時に、いくつかの外せないキーワードがある。その兆候は2008年くらいからあったものの、同時期に世界を震撼させたリーマンショックや、世界同時不況などの経済ニュースの中で目立たない存在となっていた。
そのいくつかのキーワードを上げると、クラウド、ソーシャルメディア、スマートグリッド、そしてマーケティング的に重要な、フリーというキーワードが上がってきます。

ク ラウド(雲)というのはその言葉の曖昧さからも定義するのが難しいが、パソコンやインターネットにつながる端末やインフラが多様化して発達し、一人で扱う 端末が複数になれば、当然すべての環境で一致したファイル共有の必然性が高まり、また企業や団体などにおいても情報共有はテーマとして大きな課題となる。 それを解決してくれるテクノロジーやサービスをクラウドだと理解してもいいと思う。もっと大きなテーマやとらえ方もあるが、説明が長くなるのでここでは深 く言及しません。

そしてソーシャルメディアとはSNSに代表される新しいコミュニケーションのあり方で、人と人とのつながりがメディア化された仕組み。今ではTwitterがwebのエコシステムとして、ソーシャルメディアの代名詞ではないでしょうか。

スマートグリッドはそれに関わる業種、業態、また応用範囲や解決していく問題も多岐に渡るため、このページだけでは説明しにくい。スマートグリッドに関しては2007年から研究テーマとなっているので、またあらためて書いてみようと思います。

そしてフリー。これはトレンドのブレークラインで言うと、目新しいことではなくて、流行が繰り返す中で新たな可能性を秘めてバージョンアップされ、今また注目を浴びているキーワードで、ここで言うフリーとは、主にクリス・アンダーソンの著書「フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略
に言及した内容でもあります。

知っ てる方もいると思いますが、2009年の末にtwitter上でも話題になったプロモーションがありました。2009年7月に米国で発売された 「フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略」という書籍は、同時に2週間限定で全文を無料公開し、30万ダウンロードを記録しました。日本でも11月26日の販売を前に1万人限定で13 日から全文無料公開し、その掟破りのプロモーションにマーケティング関係者も度肝を抜かれていました。だって発売前の本の全文を、限定といえど無料で配布 するわけですから。

でも、これはこれで私的には書籍の電子化が本格的に到来する前のプロローグに思えました。(業界用語でジャブと言ったりしますね)ちょうどその頃アマゾンのキンドルとか、リリースが噂されていたiPad関連の話題もtwitter上で飛び交ってました。
このフリーに関して、本書の内容を解説しても仕方がないし、ここで説明するよりも実際の内容を読んで「なるほど〜」と思ってもらった方が著者にも利益を還元できるので、単刀直入に結論と関連するエピソードについて私なりの見解を書いてみます。

ま ず、なぜ目新しくもないフリーという概念がここに来て、再び注目されたのか。そこには不況という経済変動と、市場のグローバル化が起因していると思いま す。簡単に言えば「一件の顧客から大きく取る」より「多くの顧客から少なく取る」を考える方が経済動向的に有利だからとなるでしょう。そしてこれは経済的 に豊かな国のGDPとか物価とか、貨幣価値にも随分と関係してくる問題ですし、経済的に発展して人口減少が続く先進国とのバランスにも関係してくる深い問 題でもあり、それを記述するには個人ブログでは用をなしません。

ということで、すごく乱暴な展開ですが、実例的にいくつかのエピソードをあげてみましょう。ただし私の印象に残った範囲ですが…。

ま ずネット黎明期では、ネットスケープのエピソード。シリコングラフィックスの創業者でもあり、後に「ネットスケープナビゲーター」を開発し、今のwebを 爆発的に普及させたジム・クラークは「何億ドルもかけて開発したソフトを無料でばらまくなんて、ネットスケープの連中は相当な変人だ」と言われたそうで す。しかしそこには仕掛けがあって、便利に使えるソフトを無料配布し、企業導入の際にはライセンスを買ってもらうという、無から有への読みがあり、ネット スケープはITバブルの立役者にもなったわけです。
ここには国境を越えたユーザー数とグローバル化の市場を捉えたジム・クラークの先見性があり、クリス・アンダーソンは、更にそのモデルを発展させた理論を展開したのです。

これは1994年の話しですから、今から16年も前にフリーのビジネスモデルはweb業界では存在し、今も尚応用されているのです。最近ではそのフリーとクラウドを連携した好例としてドロップボックスなどのサービスも有名ですね。

しかし、日本にもその原型となるような発想をシュールに四コマ漫画で表現した作品があります。

私が昔から好きな四コマ漫画の作者で、植田まさしさんの「まさし君」というのがあります。確か小学生のころに読んだと思うのですが、その中にこんな作品がありました。

若 い男女のカップルがデート中に、貸しボートの料金を見る。「貸しボート○○円」とタダみたいに安い料金を書いた看板がある。これはいいと嬉しそうに、カッ プルはボートを借りてこぎ出すと…。池に入る手前に「貸し池○○円」と書かれていて、釈然としないカップルをよそにヒザを抱えたまさし君が座っている。と いうオチ。

私は幼いながらもこの漫画を見て、そのアイディアと描写力に感心して、今でもふとその四コマ漫画を思い出すことがあります。

ク リス・アンダーソンの著書「フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略」には、現状を打破するためのコメントが随所にちりばめられていました。彼はまた、ロングテールとい う概念を知らしめたことでも有名ですが、その彼が発するキーワードが世に浸透し始めた時。世の中が活発な経済サイクルを取り戻し始める時でもありました。

ここに来てまた、IT業界やエネルギー関連業界から、世界中の経済を活発化させる新たな動きとトレンドが芽生えているのかもしれません。