2010年2月22日に電通が日本国内の総広告費などを推定した「2009年日本の広告費」を発表しました。これによると2009年の日本の広告費は不況の影響があってか、前年比の11.5%減の5兆9222億円。2年連続で減少したという結果です。テレビ、新聞、雑誌、ラジオという、いわゆる「マス4媒体」が14.3%減少。媒体別に見てみると、雑誌と新 聞で広告費の落ち込みが特に激しく、それぞれ25.6%減の3034億円となり、18.6%減の6739億円です。それと比較して、インターネット広告費は1.2%増の 7069億円に達し。調査開始以来、初めて新聞広告費を上回った結果となったそうです。

ECSは企業や商品のプロモーションをwebサイトをハブ(中心媒体)として行っていますが、やはり業務的に2008年のはじめあたりから、企業が広告費をwebに投下する割合が増加しています。

そういった背景から、ECSにも必然的にwebサイト構築や、クロスメディアプロモーションの提案依頼が増えてきたわけですが、今までは無縁だった業界、業種の企業からも提案依頼が入ってくるようになってきました。
無縁というのはwebを広告手段や中核媒体と位置づけていなかったということですが、そこでよく「今まで同業種での成果実績はありますか?」と質問されます。

これは広告費を投下する企業としては当然の質問なのでしょうが、私はプロモーション経験のない業種の場合、率直に「経験はありません」と答えます。

ほとんどの担当者が私の瞬間的な回答を聞いて、そこで躊躇されますね。

しかし、私的には、同業種でも異業種でも、何らかの成果実績があったとしても、あまり意味を持たないのです。

例えば、食品業界で「コンビニ」のプロモーション実績があったとしても、競合する他社に同じ戦略を提案できるでしょうか?
飲食店でも、フランチャイズチェーンのラーメン屋と独立店舗のラーメン屋に同じプロモーションを適用できるかといえば、適用できません。

企業が戦略的にプロモーションに取り組む際には、まず他社との差別化や、アドバンテージが必須となってくるのが現状です。

品質、サービス共に成熟された中で「うちはここが売りです!」という付加価値や強みを最大限に訴求しなくては、ユーザーに判断材料を与えることはできません。

つまり判断するのはユーザーなわけですから、例えば完成度の高い携帯電話などでは、ハード的な機能以上に、ユーザーのニーズに合わせたデザインや日常生活でのフィット感、インタフェースの秀逸さ、独自サービスや料金体系などといった材料が必要です。
そこで圧倒的な差を享受することができれば、市場占有率さえ逆転できるのです。

企業側や企業の担当者がコンセプトを忘れ、業界の内側から自社を見ていると、その視点で自社の強みがぼやけてきて、商品やサービスの価値判断も曖昧になります。

そこでECSが企業や商品のプロモーションを引き受ける場合、まず私が消費者(ユーザー)の立場になって、企業に対する印象や商品への欲求、購入プルセスなどを検討します。
また、自分だけでは判断できない場合は、実際のターゲット層になる人たちに対してのリサーチを行いますが、ここでよく用いる手法がペルソナクリエーションを私なりに発展させた、リアルペルソナクリエーションという手法です。

この調査研究に費やす時間やコストがプロモーションの背景にあるので、同業種での成果実績がなくても結果を予測する事はできるのです。

また「うちは特殊な業界なので、他業種の実績や方法論は通用しないのでは?」という意見もあります。それは当然で、まるきりの転用や流用で通用するはずはないのです。しかし市場があり、消費者がいるという基本原理は同じわけですから、B2BでもB2Cでもユーザー視点に立って考えれば、特殊な業界はないと言っていいと思います。

問題はユーザーがどこからどんな情報を見て、聞いて、企業を認知するのか、商品やサービスを購入するのかという部分を的確に押さえたマーケティングを行えるかどうかにあるのです。